2007年03月13日

携帯ストラップが多すぎ

ふつうはほとんど人生に関わりを持たないが、下記のようないくつかの接点がある。

変形菌は微生物の捕食者であるため、直接には動物や植物の病原体となる事はない。しかし、堆肥をすき込んだ畑からはそうした環境を好む変形菌がよく発生し、作物の幼い苗に這い上がって窒息死させたり、イチゴやメロンの果実を汚損することもある。また芝生に好んで発生するハイイロフクロホコリPhysarum cinereum (Batsch) Perus.も芝生の美観を害して管理者に嫌われる。

本質的には微生物であるきのこを摂食する変形菌も知られており、ブドウフウセンホコリ(旧称キノコナカセホコリ)(Badhami utricularis (Bull.) Berk.は栽培されたナメコの子実体を食害して栽培農家に被害を与える。

近年日本においてクワガタムシの飼育愛好家が増え、粉砕したシイタケ廃ほだ木(朽ち木マット)をプラスチック飼育容器に満たす飼育スタイルが普及した。この飼育容器において長期間高湿度に保たれた朽ち木マットから突然変形菌の変形体が出現し、さらに子実体を形成して飼育者を驚かす事が増えた。この場合、ススホコリ属Fuligoの黄色い変形体かムラサキホコリ属Stemonitisの白色半透明の変形体が出現している事が多い。

変形菌は基本的には食用にはならないが、メキシコではフライの衣として使用されていたとの記録がある。 また、中国では土中からまれに肉塊のようなものが発見されることがあり、太歳などと呼ばれているが、これは変形菌の変形体ではないかと考えられている。1992年に中国陜西省で地下から25.5kgもある巨大な肉の塊のようなものが発見された際には、試食してみた人の「生ではバラのような香りがし、焼けば肉のような歯ざわり」という発言が記録されている。

かつて南方熊楠が深く興味を抱いて研究をしたことで有名である。その研究成果は論文の形では発表されなかったものが多いが、かなり先見的な見解が書き残されているほか、南方が和歌山県で採集した標本に基づいてグリエルマ・リスターによって新属新種として記載されたミナカタホコリMinakatella longifila G. Listerは南方に献名されている。また、この種は生きた樹木の樹皮に生息する種としても、興味深いものである。
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お気に入りのドラマ

その生活の特異なこと、また日常接する機会が少ないことから、とても珍しい生物と思われがちだが、実際にはごくありふれたもので、人家の庭先に出現することもまれではない。イギリスにおける研究では森林や畑の土壌に生息する原生動物中、細胞数で多い場合には2割、少ない場合でも1%前後を変形菌が占めていたとされる。

変形体は薄く広がって、大きくても10cm程度のものが多いが、中には1mを超えるものが見つかることがあり、そうした大型の変形体が芝生などに出現して大騒ぎになることもある。多くの場合、変形体は普段地中に潜っているので、ある朝突然妙なかたまりが出現、という格好になる。

変形体の活動には湿り気が必要なので、多くが見られるのはやはり森林内である。朽ち木をほぐすと変形体が見つかることがある。子実体は朽ち木や枯れ葉の表面を探すと見つかる。小さいながらも、なかなか美しいものもあり、愛好者も存在する。日本では1977年に国立科学博物館の萩原博光らによって日本変形菌研究会が組織され、プロの研究者とアマチュア愛好者、研究家との交流や自然史データの発表の場として機能している。また、水中生活をするものもあるらしく、水生生物を飼育している水槽の水際から子実体が見いだされているとの報告もある。ただし、この分野の研究は今だ発展段階にある。

自然界においては、変形菌は微生物の捕食者である。変形菌を食う生物もいくらか知られてはいるが、今後の研究に待つところが多い。ムラサキホコリ属Stemonitis等の大型の子実体にはヒメキノコムシ科やデオキノコムシ科等の甲虫が集まって胞子を摂食し、特にヒメキノコムシ科はこの科に属するほとんど全ての種が変形菌の胞子食者として知られている。また、オサムシ科に近縁なセスジムシ科の昆虫が、成虫も幼虫も朽木の樹皮下で変形菌の変形体を捕食することに特殊化した分類群であることが報告されておいるほか、何を摂食しているのか謎が多いベニボタル科の幼虫が変形体に口をつけている場面がしばしば観察されており、変形体食者である可能性が示唆されている。しかし、変形体食者については子実体における胞子食者以上に研究が遅れており、その実態はよくわかっていない。
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気の合う仲間

変形菌(へんけいきん 、粘菌 ねんきん)とは、変形体と呼ばれる栄養体が移動しつつ微生物などを摂食するという”動物的”性質を持ちながら、小型の子実体を形成し、胞子により繁殖するという植物的(あるいは菌類的)性質を合わせ持つ、特異な生物である。そのためこれを動物と見るか植物(菌類)と見るかについて、多くの議論があり、古くは動菌、菌虫などの用語が使われたこともある。よく混同される細胞性粘菌と区別して真性(真正)粘菌とも呼ばれる。

今日では真核生物の系統解析が進み、生物が動物と植物に2大別されるとは考えられなくなった。狭義の動物と植物は真核生物の中の限られた系統のみを指すようになり、これらと狭義の菌類を除いた多様な真核生物を原生生物というカテゴリーで捉えるようになった(五界説)。変形菌はもちろんこの原生生物に含まれるが、多様な原生生物相互の系統関係はまだ研究途上である事もあり、変形菌がどういう位置にあるかについては未だに諸説がある。ただ、真核生物の進化のかなり早い時点で分岐した古い群ではあり、動物、植物、菌類のいずれとも縁が遠い。
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